住まいは「商品」ではない!日本の文化、その物!
いい家とは、どんな家の事を言うのか?調べた事ありますか?書店に行くと、いろいろな住宅雑誌が出回っていて内覧の写真ばかりの紹介で核心な内容が伝わってきません。「自然素材住宅」「健康住宅」「エコ住宅」など、キーワードもタイトルも様々で、住宅を評価、選ぶ、判断するうえでの大事な要素にはなるかとは思いますが、雑誌を見ながらこの家が「いい家」かと言うと疑問に思えてきました。これから家を建てたいと思っている消費者は、住宅ローンと言う膨大な『借金』を背負い込み、長期間に渡り一生懸命返済していく訳です。
いい家の選び方を間違えると、『借金』がなくなる頃にはまた新たに住宅を建て替え、その借金を世代を超えて背負い込むというローンサイクルを繰り返す事になります。そうした意味からもローン返済後も数十年の耐用年数がある住宅こそ、本当の価値のある【いい家】という事を忘れてはなりません。長寿命住宅を建てるには、構造学はもちろんの事、確かな素材、熱力学をも見極めた高度な視点、技術が必要になって来るのです。家を完成させるには、施主様はもちろん設計・施工にあたる人間の意見交換の連続で成り立っていくものだ私は思います。
住まいは使い捨て「商品」とみるか?! 固定の「財産」とみるか?
日本での木造住宅は20年~30年サイクルで建て替えられ、いまだに使い捨ての状態です。高齢者が多くなってくる時代、高齢者の住宅が老朽化していく一方、住宅に市場価値がなくなり担保評価は、土地価格のみとなっているのが今の現状なのです・・・住まいは家族と共に一生涯暮らしていく生活の場でもあります。少なくとも100年。3世代の使用に耐えるべき構造と仕組みを持つ造りにしたいものです。
20年~30年で建て替え無ければならない住宅は、買わない、建てない、その思いを強く持つべきだと思います。20年~30年と言えば自分の代だけで子供や、孫の代になるたびに建て替えになり子孫に負の財産を残すことにもなる訳です。寿命の長い「いい家」を建てることは、高齢になって身体が不自由になっても、施設に頼る事なく、住み慣れた環境で安心して暮らせることが出来る福祉政策にもなるのではないでしょうか? 自分の暮らしを守る基本が長寿命の住宅を建てることと言えます。