★シックハウスってどんな病気?
住宅雑誌や新聞の紙面をにぎわしているシックハウスという言葉、最近では建築基準法が改正されてその対策が盛り込まれたくらいですから、裏を返せばそれだけ日本各地でシックハウスの被害が広がっているのです。いまや、シックハウスは住まいの伝染病といえるかもしれません。
その原因になっているのが主に内装材の接着剤や塗料に含まれる、有害な化学物質です。ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物が住まいの空気を汚染していたのです。
でもどうしてそんな危険な住まいが増えてしまったのか?・・・それは住宅が一つの耐久消費財のようになってきてしまったからです。企業も販売競争に勝つためには、広告宣伝費、営業費、モデルハウスの維持費といった間接費に多額のお金を掛けなければならず、それらの費用を工場で大量生産できる低コストな新建材で賄う必要があったからです。本来、使う建材や職人さんの手仕事など、直接住まいづくりに関わる所にお金をかけるべきなのですが・・・経済優先、効率優先のツケが住宅業界にも回って来たといえます。
つまり高度成長期の日本で社会問題となった公害が住まいの中で起きているのです。しかもこの住宅公害はタチが悪い、地域を限定せず日本各地でどの新築住宅でも起こりうるということです。
※化粧で整えられた、きれいな建材こそ有害化学物質の危険性を疑うべし
★無垢の木は安心 規制対象外
建築基準法の規制対象になったのは、ホルムアルデヒドとクロルピリホスだけですが実はその他にも危険な化学物質が含まれた建材もあります新建材を選ぶ際には毒性のある化学物質が含まれていないかどうかチェックを怠らないよう注意をしましょう。
★昔の民家にはシックハウスなどの病気は起きなかった
私達が子供のころの家は今の家みたいに便利で機能的ではなかったけど少なくとも現在みたいな病気は起きなかったし聞いたことがありません。
最近では構造材に集成材を使い、内装をビニールクロスで仕上げた住まいを長期優良住宅と言っていますが・・・疑問です。時代の流れで住まいが変わるのは仕方のないことですが、住まいに安心や快適さを求めるのは今も昔も変わらないと思いますが・・・。
今回、建築基準法の改正で住宅に換気設備の設置も義務付けられました。
しかし、そんな設備に頼らなくてもいい住まいを私たちは造っていきたいですね。
これから先、日本の住まいって本当にいい方向に進んでいくのかちょっと考えてしまいます。
棟梁の独り言より