檜の木はなぜ建築材として最重要視されるのか?
檜に限らず木材が建築材として使用されるまでには、植えてから50年以上もかかるのです。現在の日本の住宅の耐久性は、20年程度と言われています。植林と住宅建築のサイクルが逆転し、自然環境の中で進められるべき建築の基本が揺るがされている状態なのです。最低でも50年、耐久性のある長寿命の木で建てられた住宅が増えていけば植林とのバランスが自然環境の中で生まれCO2の排出を封じ込め、地球温暖化防止にもなって来ると私は思うのですがどうでしょうか?
世界最古の木造建築物である法隆寺を1300年以上も支えてきた木が、「檜」です。奈良時代の歴史書「日本書紀」にも宮殿には「檜」を使えと言う内容が記されています。これは檜が、日本特有の湿気に強く、耐腐抗菌やシロアリの忌避作用があり、建築材として耐久性に優れているからです。檜の中でも吉野檜、木曾檜は有名です。中でも木曾檜は、古代から特別な材料として「法隆寺五重の塔」「伊勢神宮」などの高貴な建築物に使用されています。木肌が美しい高級な檜は天然林としてごく少数が伐り出されています。
人工の建材にはない、檜の魅力を住宅に取り入れる!
世界最古の木造建築物である法隆寺を1300年以上も支えてきた檜は、耐久性に優れ、木材の曲げ強度を示すヤング係数は杉の1.5倍~2倍、住宅で使用される4寸の柱の杉柱材と、檜(木曾檜)柱材を比べると荷重強度5トンを掛けても折れない実験結果があります.50㎏の体重のある人間100人が、柱の上に載っている計算になります。杉の場合は、3トンを超えたあたりから折れてしまったという実験結果から見ても檜材は、地震や台風にも耐えうる建築材であることがわかります・・・
もし法隆寺の建物が鉄やコンクリートなどの素材で建てられていれば、とっくの昔に存在していなかったかも?しれませんね。法隆寺の五重塔は木造の高層建築とも言え、歴史に残る大地震、記録的な台風でも倒れませんでした。木、は人間と同じで一本ずつが全部違うんですそれぞれの木の癖、性質を見抜いてそれに合った使い方、施工の仕方をすれば、耐久性のある長寿命の住宅が出来ます。工場生産化された組立住宅が増えていく中、木の文化・木の良さを再確認する必要があるかと思います。
木曾檜のカウンター机を取り付けた書斎 吉野檜の大黒柱、と4寸角の柱を使った構造材